【トラブル回避型 解雇、退職勧奨の手法】第1回 退職・解雇の現代的な視点 係争回避へ手法用いる 長期雇用慣行視野に入れ/延増 拓郎

2022.01.07 【労働新聞】
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”解雇権濫用法理”あり

 民法は、期間の定めのない雇用関係における解雇について原則として自由としている(民法627条)。

 これは、労働契約法14条および15条が、それぞれ「『出向を命ずること(懲戒すること)ができる場合において』権利を濫用した場合は無効とする」と定めているのに対し、解雇について定める16条は、使用者にもともと解雇権があることから、「解雇できる場合」との文言を用いていないことにも示されている。

 このように、日本において本来解雇は自由である。しかし、昭和30年~40年代に掛けて、国内で長期雇用慣行が広まっていった。その状況下で下級審裁判所は、解雇権を濫用した場合に解雇を無効とする「解雇権濫用法理」を採用するようになった。同法理は、最高裁の日本食塩製造事件(最判昭和50年4月25日)および高知放送事件(最判昭和52年1月31日)において確立された。

 解雇権濫用法理とは、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする法理」である。平成15年の労働基準法改正において同法旧18条2項に定められ、その後、同19年の労契法の成立に伴い同法16条に移し替えられ、…

筆者:石嵜・山中総合法律事務所 代表弁護士 延増 拓郎

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令和4年1月17日第3336号11面 掲載

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