【多角的に考える両立支援の実践――改正育介法対応】第8回 マタハラとの境界線 業務上必要な言動か 安配・母性保護目的は可/佐藤 有美

2021.08.26 【労働新聞】
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会社側から声を掛ける

 妊娠、出産、育児など従業員の私生活への配慮が求められる時代である。事前に各従業員のこれらの事情を把握して、人員配置を行いたい。だが、「子どもはいつ?」、「みんなで妊娠の順番を話し合って」、「子育て中だから雑用で良いよ」などといえば、たちまちハラスメントといわれてしまう。

 困った経営者や上司は、本人から何も聞けないまま、大事を取って、「配慮」と称して配置転換、担務変更、業務軽減などで対応しようと思い至る。良かれと思ったこの対応こそ、実は「配慮」ではなく「マタハラ」かもしれない。

 「妊娠などは職場で一切話題にしない方が良い」と考える向きは強い。原因の1つには、一度マタハラ問題が起こった場合のレピュテーションリスクの高さがある。インターネット社会における情報の小さな火種は、「マタハラ」の一言を伴ってみるみる大きくなり、企業は「ブラック企業」の烙印を押され、その社会的評価にダメージを受けてしまう。

 ジャパンビジネスラボ事件(東京高判令元・11・28、その後上告棄却・不受理)では、育休取得後の有期労働契約への変更、雇止めが有効とされたが、…

筆者:西脇法律事務所 弁護士 佐藤 有美

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令和3年8月30日第3318号6面 掲載
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