【パンデミック、大災害に対処 BCP策定講座】第3回 重要業務の目標復旧時間 被害度合で回復に幅 拠点確保が早期化のカギ/丸谷 浩明

2021.07.08 【労働新聞】
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実現可能か推定を

(1)取引先などの視点で望まれる復旧時間

 BCPでは、各企業が「重要業務」を選定したら、その「目標復旧時間」を定めるのが基本である。必要がある場合には、業務の実施水準の「目標復旧レベル」も定める。「目標復旧時間は1週間後、業務水準は平常時の○%」など、段階的に設定していく例もある。実際には、目標復旧時間を検討しながら重要業務も考え直すなど、両方一緒に考えることが多い。

 目標復旧時間の決定には、まず、それぞれの重要業務の復旧・実施の時間的な「許容限界」を認識することが大切である。ここでの「実施」とは、リソースをどの業務に割り当てるかを考える際、平常時の業務だけではなく、災害対応業務の実施の時間も合わせて検討しておく必要があるからである。

 許容限界の判断基準は、供給の中断で顧客を失わない顧客対応の視点、資金繰りの視点、自社への社会的評価の視点などであり、重要業務の選定の視点と同様である。許容限界の少し前に目標復旧時間を置くが、これは「実現が望ましい目標復旧時間」に過ぎない。

(2)実現可能な復旧時間

 次に、被災時に本当にその目標復旧時間が達成できるのかを考える必要がある。「実現が望ましい目標復旧時間」が被災時にはまったく実現できなければ、自社で策定したBCPは取引先から信用されなくなる。

 社内でBCPを検討する際には、一定の重要業務の復旧を前提に…

筆者:東北大学災害科学国際研究所 副研究所長・教授
NPO法人事業継続推進機構 理事長 丸谷 浩明

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令和3年7月19日第3313号11面 掲載

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