【元監督官が明かす!!送検・監督のリスク管理 事例徹底分析】第33回 労働者性(フリーランス) 出退勤管理はしない 問題化しやすい「拘束性」/西脇 巧

2021.06.03 【労働新聞】
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教育研修は指揮監督の肯定材料

 近年、インターネットを通じた仕事の仲介事業であるクラウドソーシングの拡大や雇用契約によらない働き方を選択する者が増え、フリーランスも増加傾向にある。企業では、必要な技術・ノウハウを持つフリーランスを活用するケースが増えている。管理および就労実態によっては、労働者として取り扱われ、労働基準関係法令の規制を受ける点には注意する必要がある。表1は自転車配達員などの労働者性が問題となり、最終的には労働者と認定して指導を行った事例だ。今回は、これをもとにフリーランスを活用する際の留意点を説明したい。

表1 指導事例

※平成19年9月27日基発第0927004号に基づき作成

 バイシクルメッセンジャーなどは、バイク事業者と運送請負契約を締結していたが、実態として、次のとおり事業者の指揮命令下で配送業務に従事して、報酬を得ていたことから、労働者と認定して指導を行ったもの。

1 指揮監督下の労働であること
(1)仕事の依頼、業務従事の指示などに対する諾否の自由の有無
 ① 実態をみると、仕事の依頼、業務従事の指示などを拒否している例はみられない。

(2)務遂行上の指揮監督の有無
 ② 配送業務の方法などに関して手引が定められており、これに基づき研修が実施される。
 ③ 出勤時に営業所長から交通安全などの諸注意を受けた後、配車センターからの配送指示に従い配送し、次の配送指示があるまで待機する(繰返し)。
 ④ 配送経路は、契約上、「最も合理的な順路で走行すること」とされ、最短距離で到着するよう指示されている。
 ⑤ 移動開始時、荷の引取時、配送終了時など配車センターに報告することが求められている。
 ⑥ 営業所長の指示で内勤スタッフの業務を手伝うことがある。

(3)拘束性の有無
 ⑦ 各人の具体的な出勤日・勤務時間について、各人ごとに定めている。
 ⑧ 出勤日には始業時刻までの出所と業務終了後の帰所が義務付けられており、欠勤などがある場合は、営業所長への連絡が求められている。
 ⑨ 日々の出勤状況は、出勤簿により管理されている。
 ⑩ 休憩時間について携帯メールで報告することが求められている。

(4)代替性
 ⑪ 所定の研修を受けて承認された者に限定されているため、労務提供の代替性が認められない。

2 報酬の労務対償性があること
 ⑫ 出勤日に出勤しない場合には欠勤減算し、また出勤時刻に出所しない場合には遅刻減算として、基本歩合率から一定の歩合率が減算される。

(以下省略)

 労基法第9条では「労働者」を、…

筆者:TMI総合法律事務所 弁護士 西脇 巧

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令和3年6月14日第3308号11面 掲載

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