【新春特別寄稿】旧労契法20条をめぐる最高裁5判決 日本の雇用慣行を肯定 退職金・賞与など 不合理性判断に高い障壁/石嵜 信憲

2020.12.24 【労働新聞】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

弁護士 石嵜 信憲 氏

 本紙では、新春巻頭言として、令和2年10月に出された旧労働契約法第20条(不合理な労働条件の禁止)をめぐる5つの最高裁判決について、石嵜信憲弁護士にご見解をお示しいただいた。5つの判決は、人材の長期育成・活用を図る日本の雇用慣行を正面から肯定したものと分析。退職金や基本給、賞与などの不合理性の判断に当たって高いハードルが課されたと指摘している。

行政指導に強く影響

 旧労契法20条をめぐる最高裁判決として、昨年10月13日に大阪医科薬科大学事件とメトロコマース事件、同月15日に日本郵便(佐賀・東京・大阪)事件の5判決が出された(以下、総称して「最高裁5判決」)。このうち特に注目されるのは、賞与・退職金不支給の不合理性を否定した10月13日の2判決である。各判決の概要は、の通りである。

 10月13日の2判決に関し、ある研究者がNHKのインタビューで、同判決は削除された旧労契法20条について判断を示したに過ぎず、パート・有期法8条の解釈にさほど影響を与えないかの如くコメントしていた。しかし、パート・有期法8条が旧労契法20条をそのまま承継していることは、国会答弁等からも明らかである。最高裁5判決がパート・有期法8条の解釈やガイドラインに基づく行政指導等に今後強い影響を与えることは疑う余地がないといえる。

 わが国においては、…

筆者:弁護士 石嵜 信憲

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

令和3年1月4日第3287号1面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。