【新型コロナを乗り切る!産業保健と働き方改革】第16回 リモートワーク① 在宅勤務うつに注意 生活習慣病発症・悪化も/吾妻 愛子

2020.10.22 【労働新聞】
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平均歩数は30%低下

 リモートワークは、ワーク・ライフ・バランス、場所にとらわれない就業、多様で柔軟な働き方が選択できる社会の実現を可能にするものとして推奨されてきた、働き方改革の重要なピースである。その中で、2020年、突如として直面した新型コロナウイルス感染症のパンデミックにおいて、通勤経路での密、またオフィスの密を避けることができるリモートワークは、感染拡大防止対策の中心としてさらにクローズアップされている。それ以外にも、通勤時間の削減や子育てとの両立などリモートワークのメリットが多いが、健康管理において懸念される側面もある。

 まず取り上げたいのは生活習慣病の問題である。民間企業によって行われた調査データでは、リモートワークに切り替えた社員の平均歩数はそれ以前と比較して約30%の減少が認められ、座っている時間も長くなったという結果が出ている。加えて、多くは自宅での勤務となることから、間食、飲酒量、喫煙回数が増えるといった問題も起きやすい。そうした身体活動量の減少、食生活などの乱れは、肥満、メタボリックシンドローム、糖尿病、脂質異常症、高血圧といった生活習慣病の発症および悪化を招くことが懸念される。また、新型コロナウイルス感染症への感染を恐れ、必要な定期受診を控える人が増えることも、生活習慣病の悪化につながるおそれがある。

 これらの対策として、…

筆者:産業医事務所 セントラルメディカルサポート 産業医 吾妻 愛子

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令和2年10月26日第3278号13面 掲載
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