【イラストで学ぶ身近なリスクと対策】第64回 不適正な足場設置による災害②
2025.06.26
【安全スタッフ】
1.はじめに
盛夏の候・炎暑の候、地域差はあるもののうだるような暑さが続く季節となりました。7月1日は国民安全の日、7月1~7日は全国安全週間です。当週間の目的は、「各事業場の労使が労働災害防止の誓いを新たにして効果的な安全活動を展開する契機」とすることです。
今回も墜落・転落災害〔*1〕のなかで、足場〔*2〕の組立て時に「地震発生による災害」をテーマにします。
〔*1〕「こう配が40度以上の斜面上を転落する」ことは墜落〔則第518条および第519条〕に含まれる。
〔*2〕足場とは「建設物・船舶等についての高所作業において、労働者を作業箇所に接近させるために設ける仮設の作業床およびこれを支持する仮設物」をいう。
2.なぜ足場の災害が多いのか
足場は「不特定の場所〔*3〕に仮設での設置が多い」。
〔*3〕①市街地などの第三者・公道〔一般道〕・高圧配電線(6600V)・鉄道に隣接する場所に設置が多い。②それぞれの「標準図が作図しづらく、足場の組立・解体は協力会社任せ」になる傾向がある。
最近の元請け会社は、出向社員・一次雇用が多い〔★元請けの社員は、足場の組立・解体の危険性を知らない人が多い〕。
近年、「足場材はレンタル品」が多く、「足場の組立て・解体も外注」が多い。足場の組立は順次高くなるので、…
執筆:中野労働安全コンサルタント事務所 所長 中災防安全衛生エキスパート 中野 洋一
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2025年7月1日第2477号 掲載