【安全衛生眺めてみれば】第35回 「すべてを疑え」を信条に
2025.05.27
【安全スタッフ】
私の若いころ、マルクスの思想が多くの若者の心を捉えていましたが、ソ連の解体などもあって権威は失われ、その理論の多くが誤りとされているようです。しかし、マルクスは一つだけは正しいことを言ったと思っています。それは「すべてを疑え」という言葉です。
この言葉は、安全の確保にとって、とても有益な言葉です。例えば、工場で荷物用エレベーターを見ると、エレベーターの扉を開けたままにしてボタンを押してもらい、エレベーターが動かないことを確かめます。さらに慎重な装置がついているエレベーターには扉の外にもう一つシャッターがあって、シャッターも閉めないと動かないようにしてあるものもあります。その場合はもちろんシャッターを開けたままにしても動くかどうか、扉とシャッターの2種類の操作をあえて試してもらい、仕組みが有効であることを確認してもらいます。
次にそのエレベーターが到着する上階の出口の扉を開けたままにして、下のほうで同じような操作をしてもらいます。このような面倒なことをしてもらうのは、…
執筆:一般社団法人 労務安全監査センター 代表理事 東内 一明
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2025年6月1日第2475号 掲載