【トラブル回避型 解雇、退職勧奨の手法】第12回 希望退職 募集対象者を制限可能 有能な人材の流出防止に/延増 拓郎

2022.03.31 【労働新聞】
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“逆肩たたき”を有効化

 希望退職募集とは、自主的な退職を促進するために、退職金の上積などの特別利益を提示して、合意退職を実現する経営施策である。日本では、解雇権濫用法理により解雇が制限されている。人員削減が必要な場合でも、解雇時に生じる可能性がある係争を回避するため、とくに大企業・中堅規模企業では希望退職募集の手法が定着している。

 類似するものとして、早期退職優遇制度がある。これは高齢化対策の一環として、定年を迎える前に第2の人生に踏み出す者に対して退職金に優遇措置を講じる制度である。希望退職募集との比較では、希望退職募集が臨時的施策であるのに対し、早期退職優遇制度は恒常的な制度とされる傾向がみられる。

 希望退職募集は、労働者の退職の意思表示(申込み)を誘引する事実行為であり、退職を強要するものではない。したがって、使用者は希望退職を自由に募集できる。一般的に、希望退職募集の際、①募集時期、②募集人員、③募集対象者、④退職上積金の有無――などが提示される。その条件や方法なども、使用者が自由に決定できる。

 希望退職募集の対象者を制限するのも可能となる。たとえば、…

筆者:石嵜・山中総合法律事務所 代表弁護士 延増 拓郎

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令和4年4月4日第3347号11面 掲載

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