【元監督官が明かす!!送検・監督のリスク管理 事例徹底分析】第10回 賃金未払い②  打刻調整の恐れあり 自己申告方式が温床に/西脇 巧

2020.12.03 【労働新聞】
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他の客観的記録と突合して確認

 厚生労働省では、従前から賃金未払い残業について厳格に取り締まっている。厚労省の公表資料によれば、平成31年度(令和元年度)において全国の労働基準監督署(以下「労基署」)が監督指導した結果、残業代を遡及して支払った企業(ただし合計100万円以上)は1611件、支払い額は98億4068万円となっている。このことからも、多くの企業が労基署から賃金未払い残業の違反を指摘されて遡及払いを求められていると分かる。なかには、表1のように刑事事件として送検されている事例もあり、注意する必要がある。

表1 送検事例

【事例Ⅰ】
 自動車販売・整備業を営む法人および支店長が、4カ月間、営業社員14人に対して残業代の一部合計225万6010円を支払わなかったもの(従業員からの相談が端緒)。
【事例Ⅱ】
 地方自治体である市および市長が、2年間、嘱託社員1人に対して約1400時間の深夜労働をさせたにもかかわらず、その割増賃金30万円程度を支払わなかったもの(外部からの情報提供が端緒)。

 事例Ⅰは、勤怠管理者が営業社員に対し18時までに強制的にタイムカードを押させ、その後残業をさせていたところ、これを支店長が黙認していたため、送検された事案である。…

筆者:TMI総合法律事務所 弁護士 西脇 巧

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令和2年12月14日第3284号11面 掲載

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