【企業経営と固定残業代制度】最終回 裁判と実務対応 避けたい後続訴訟誘発 中小は死活問題に発展も/横山 直樹

2020.03.19 【労働新聞】
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 労働関係の訴訟には、①事実関係が主要な争点になるもの(解雇、安全配慮義務違反など)と、②法的評価が主要な争点になるもの(管理監督者性など)があり、固定残業代の訴訟は後者に属する。後者の特性は、判決に至り、無効との判断が示されると、判決の効果は他の従業員には直接及ばないが(民訴法115条1項)、事実上、上記の判断を前提にした後続訴訟の提起や、従業員からの残業代の請求などがされることである。

労契法9~10条充足する対策を

 そのため、固定残業代に関する割増賃金の訴訟が提起された時には、当該訴訟の趨勢は勿論だが、それによって他にどのような影響を与えるかを検証し、必要に応じて適切な時期に制度変更を実施することが重要といえる。

 最も避けるべきシナリオは、敗訴判決を引き金に他の多数の従業員が会社に訴訟を提起し、事業継続が困難になる程度の財務ダメージを受けることである。金額にもよるが中小企業では死活問題になりかねない。その段階での制度変更では遅すぎる。

 なお、訴訟継続後に制度変更を実施した際は、第7回で指摘したように、当該原告との2次訴訟や、他の従業員との訴訟において、固定残業代の有効性とは別に当該制度変更の有効性(労契法9条、10条)も争点になることから、可能な限り労契法9条、10条を満たすような措置を講ずることが必要である。…

筆者:石嵜・山中総合法律事務所 弁護士 横山 直樹

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令和2年3月23日第3250号11面 掲載

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