【裁判例が語る安全衛生最新事情】第319回 化学物質過敏症(シロアリ駆除) 駆除剤散布による再発に使用者責任 佐賀地裁平成28年10月18日判決

2019.04.25 【安全スタッフ】
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Ⅰ 事件の概要

 被告Y社は不動産管理、建築、リフォームなどを目的とする会社であり、Bはその従業員であった。被災者Xは化学物質過敏症であり、そのため、Bに説明し、隣家でシロアリ駆除のための薬剤を散布するときには事前に知らせるように申し入れをしていたにもかかわらず、Bは事前に告知なく、隣家のシロアリ駆除を行ったために、Xはシロアリ駆除剤にばく露して化学物質過敏症が再発し、発作に見舞われ、病院に入院を余儀なくされた。

 Xは、Bに、自らが化学物質過敏症にり患していることを事前に通告したにもかかわらず、隣家で漫然とシロアリ駆除剤を散布させており、Bには過失があるとして、使用者であるY社に使用者責任(民法715条)があるとして、損害賠償請求訴訟を提起した。

Ⅱ判決の要旨

1、Xによる養生措置の要請

 Bは、平成23年11月下旬、近所の家の外壁塗装などの工事を実施する旨の挨拶をするために、…

執筆:弁護士 外井 浩志

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2019年5月1日第2329号 掲載

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