【問題社員に対処!懲戒権行使の境界線】第6回 パワーハラスメント/岸 聖太郎

2016.08.08 【労働新聞】

動機・内容で区別を 「教育・指導」目的は酌量も

部下指導できる環境に

 一般に、パワーハラスメント(以下「パワハラ」という)は、企業秩序を乱すまたはそのおそれがあることから懲戒の対象になるとされている。しかし、パワハラは、セクシュアルハラスメントと異なり労働行政の根拠となる法律が存在せず、法文上の定義がない。平成27年5月15日、厚生労働省は「パワーハラスメント対策導入マニュアル」を公表し、「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」として、パワハラの概念とその行為類型を示しているが、法として一般的な定義が定められたわけではない。

 このパワハラの問題について注意すべきは、上司が部下からパワハラといわれるのを恐れて、部下に対する注意・指導を怠ってしまうことがないようにすることである。会社組織では「パワー」での統制が前提となっており、上司から部下への具体的な指揮命令、業務命令はもちろん、企業秩序を維持するための注意・指導も当然に予定されている。

 したがって、パワハラに対する懲戒を考えるに当たっては、…

筆者:石嵜・山中総合法律事務所 弁護士 岸 聖太郎

この記事の全文は、読者専用サイトにてご覧いただけます。
読者専用サイトへログイン 読者専用サイトへはこちらからログインしてください。
※読者専用サイトは、定期刊行物(労働新聞または安全スタッフ)の購読者専用のサイトです。詳細・利用方法は、読者専用サイトのご案内をご覧ください。
掲載 : 労働新聞 平成28年8月8日第3076号4面

あわせて読みたい

ページトップ