【裁判例が語る安全衛生最新事情】第468回 メドエルジャパン事件 配転命令繰り返し環境配慮義務違反 東京地裁令和5年4月28日判決

2025.07.10 【安全スタッフ】
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Ⅰ 事件の概要

 被告Y社は本社をオーストリアのインスブルックに置く聴覚インプラントの会社であって、その日本オフィスであり、聴覚障害者用の人工内耳などの聴覚インプラントの輸入販売を行っている。

 原告Xは、平成22年12月にY社に入社した。賃金は年額630万円(月額52万5000円)であったが、Y社の代表者らは、Xが気に入らないためか、再三にわたって、退職勧奨、配置転換、賃下げなどのパワハラ行為を行ってきた。Xは、退職をせずに、これらのパワハラ行為に堪えて、Y社に対し職場環境配慮義務違反による損害賠償請求訴訟を提起した。

Ⅱ 判決の要旨

1、Xに対する第1次配転命令等

 Y社では平成24年5月にAが社長となり、まもなくXを厳しく叱責するようになった。そして、Xはマーケティング部マネージャーであり、担当していた装着者用、難聴者関係の業務を他の社員に引き継ぐように命じた。そのうえでA社長はXに退職してもらう意思は変わらないと述べるにいたったが、Xはこれに応じないので、職務をアドミニストレイティブアシスタントとし、給料を約半分の320万円とし、変更後、3カ月を経て改善が認められないときは退職勧奨を受け入れることを申し入れた。

 Xは、平成24年11月15日に、メンタルクリニックを受診した。

 Y社は、平成24年12月1日、Xをマーケティング部マネージャーから総務アシスタントに配転し、Xの業務は掃除、片付け、粗大ごみ担当となり、その後、その状態は1年9カ月間継続した。…

執筆:弁護士 外井 浩志

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2025年7月15日第2478号 掲載
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