今回は、安全指導に役立つコーチングの技術として、「相手の答えを引き出す」「相手を自発的な行動に導く」を取り上げます。

相手の答えを「じっくり待つ」

＜ポイント３＞

相手の答えを引き出す

　相手の自発的な行動を促すためには、先に述べたとおり、危険予知活動の場などで、相手に「話してもらう」ことが効果的です。

　心理学的にみても、自分が話したことや宣言したことは、責任を感じて実際の行動に移すことが多いと確認されています。

　ここで重要なのは、相手に考えさせ、相手の答えを引き出すことです。相手が答えるまで、「じっくり待つ」という姿勢がとても重要になります。

　相手の答えがなかなか出てこない場合でも、…

執筆：労働安全衛生総合研究所　安全研究領域特任研究員　高木 元也