【高まるリスクに対処!新時代の労働時間管理】第17回 待機中は手待時間か否か① 業務開始時刻明確に 間隔空いていたとしても/岸田 鑑彦

2022.05.12 【労働新聞】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

指示前の出庫は禁じる

 会社が休憩時間として把握していた時間が、労働から離れることができない手待時間と認定されてしまうと、長時間労働による労災リスクや想定していない未払い残業代の問題が生じる。いわゆる手待時間について、使用者の指示があった場合は即座に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機などをしている時間は労働時間となる(労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン)。

 とくに運転業務において、次の業務指示を待っている時間や荷主都合により現場近くで待っているような時間の取扱いが問題になる。ドライバーのなかには、道路混雑が嫌で会社の運行指示より前に出庫し、荷降ろし場所の近くで開門まで待っているケースがある。会社は「そんなに早く出庫しなくて良い」といったにもかかわらず、当該ドライバーが「現地で待っている時間は休憩時間で良いから早く行かせてほしい」といって譲らなかったとする。現地で待っている時間が休憩時間と認定されれば良いが、待っている状況や積荷の監視義務などによっては待機時間と認定される可能性がある。従業員が運行指示に従っていないのは確かだが、すでに出庫により業務を開始している以上、その後は指揮命令下に置かれた状態であると判断される。出庫時間についてはドライバーの判断に任せず、運行指示に従った就労を求めるべきだ。

 次に運転業務の場合、…

筆者:杜若経営法律事務所 弁護士 岸田 鑑彦

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

令和4年5月16日第3352号6面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。