【裁判例で読み解く!!企業の安全配慮義務】第8回 予見可能性 労働時間把握が必須に 措置義務違反は高リスク/家永 勲

2021.11.18 【労働新聞】
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立証責任は労働者側

 労働者から安全配慮義務違反に基づき損害賠償請求を行う場合、労働者側に「使用者が安全配慮義務に違反したこと」について立証責任がある。そのため、労働者としては、「使用者が何をすべきであったのか」、「使用者が何をすれば損害が生じなかったのか」を具体的に検討して示さなければならないとされてきた。しかしながら、近時の有力な考え方においては、労働者が主張する安全配慮義務については、抽象的な指摘と入手可能な資料による立証を行えば足り、当該抽象的な指摘に対する反論として、企業が行った措置を具体的に主張立証するべきとも考えられている。

 たとえば、過重労働に関していえば、電通事件(最判平成12年3月24日)以来、「使用者は、その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負うと解するのが相当であり、使用者に代わって労働者に対し業務上の指揮監督を行う権限を有する者は、使用者の右注意義務の内容に従って、その権限を行使すべき」としたうえで、過剰な時間外労働や休日労働が恒常化していることを「認識」していた場合には、安全配慮義務違反を肯定する傾向がある(第1回に紹介した和歌山地裁平成27年8月10日判決など)。

 働き方改革に関連する法令が施行されるよりも以前から、割増賃金を計算するための労働時間については、行政解釈が把握方法などを示していたが、働き方改革関連法の施行に伴い…

筆者:弁護士法人ALG&Associates 執行役員・弁護士 家永 勲

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令和3年11月22日第3330号13面 掲載

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