【裁判例が語る安全衛生最新事情】第129回 山田製作所事件 過労自殺と使用者の予見可能性 熊本地裁平成19年1月22日判決

2011.05.15 【安全スタッフ】
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Ⅰ 事件の概要

 被告Y社は、オートバイの部品、自動車部品の製造を主たる業務とする会社で、某大手自動車・オートバイメーカーの部品生産工場として位置づけられている。

 亡Aは、工場の塗装班で「段取り」と呼ばれる業務を担当しており、平成14年4月1日からリーダーの地位に就き、リーダーとして品質トラブル対策を行っていた。また、新人社員を指導していく立場にもあった。平成14年3月、某大手自動車・オートバイメーカーは、Y社を含む取引先の不具合撲滅展開の説明会を実施し、市場のクレームを平成15年3月末までに10分の1以下にしようとした。そして、Y社において、検査工程が設置され、従前は合格となっていた品物が多く不合格となり、その結果塗装班において従前2%の不良品率が約30%に上昇し、塗装班の残業が増加することとなった。そのような状況下で亡Aは、平成14年5月14日に自殺した。労働基準監督署長は、本件自殺を業務上と判断し、妻X1に遺族補償年金等を支給した。

 亡Aの妻X1、父X2、母X3がY社を相手取って損害賠償請求訴訟を提起した。

Ⅱ 判決の要旨

1、亡Aの業務の過重性

(1)亡Aの業務の内容

 亡Aの業務の中心となる「段取り作業」は、空き箱を並べる作業であり特段肉体的に負荷となるような作業とまではいえない。しかし、ベルトコンベアへの…

執筆:弁護士 外井 浩志

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平成23年5月15日第2138号 掲載
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