【持続可能な経営を実現する 未来へつなぐ賃金改善】第3回 賃上げ原資の配分方法 定率は若年層不利に 優先したい属性へ投資も/津留 慶幸
2025.07.10
【労働新聞】
一律か選択・集中方式か
賃上げは定期昇給とベースアップに区分され、従来のベアは全従業員一律の引上げが想定されていた。しかし、ベアが頻繁に行われていた時代から環境は変化している。本当に全従業員一律で良いのか、一律ではないとしたらどのような手法が効果的なのか、各社が自社なりの賃上げ・ベアを模索している。通常、一律でないとすると、優先すべき属性(年代・役職・職種など)を選択し、そこに集中的・優先的に配分することになる。どちらが適しているかは経営戦略や人事方針次第であり、それぞれのメリット・デメリットを良く理解したうえで手法を選択する必要がある。
一律方式の大きなメリットは分かりやすさであろう。一律といっても、具体的には「一律の額」、「一律の率」および「その両方」という3つの手法がある。最も分かりやすいのは一律の額方式である。たとえば、月額1万円のベアを全従業員に実施する場合などがこれに該当する。従業員間で「なぜあちらの方が金額が大きいのか」といった不満が発生しにくい。不公平と感じる従業員が少なく、一体感の醸成が期待できる。また、…
筆者:クラフト人事コンサルティング 代表取締役 津留 慶幸
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
令和7年7月21日第3505号6面 掲載