【社労士が教える労災認定の境界線】第377回 長期の連続勤務でうつ病患い自殺
2025.05.27
【安全スタッフ】
災害のあらまし
某大手コンビニエンスストアのフランチャイズ加盟店Yでアルバイトとして働いていたXは、やがて店長に昇進した。以後、本来の業務である商品の発注や陳列、アルバイトの勤怠管理のほか、人手不足やアルバイトの欠勤によるシフトの穴埋めのために自らレジ打ちもするようになった。
1年数カ月以上にわたりほとんど休みがない状態が続いた結果、Xは重度のうつ病を発症し、自殺した。
判断
事業主である加盟店YのオーナーとXとの間で労働契約が結ばれていたこと、Xがうつ病を発症する前の6か月間に1日も休みがなかったと認定されたこと、業務以外で強い心理的負荷になるような出来事が認められなかったことなどから、Xの連続勤務と自殺の間に因果関係が認められ、業務上と判断された。
解説
一言で「長時間労働が原因の過労死」といっても、その死因が「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患」なのか、「業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺」なのかで労災認定に至るまでの過程は異なる。本事例のように労働者が過重労働により精神障害を発病し、その後自殺したようなケースでは、…
執筆:一般社団法人SRアップ21 宮城会
社会保険労務士事務所たすく 代表 中島 文之
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2025年6月1日第2475号 掲載