【特別企画】座談会 スキルベースの労働市場改革(前) 共通言語化でミスマッチ解消 求職者の潜在能力も可視化へ/鎌田 耕一・山藤 昌志・宇佐川 邦子

2024.02.29 【労働新聞】
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左から東洋大学 名誉教授 鎌田 耕一氏、三菱総合研究所 主席研究員 山藤 昌志氏、ジョブズリサーチセンター センター長 宇佐川 邦子氏

 技術革新と人口減少が引き起こす求人・求職のミスマッチ解消に向け、すべての関係者が共通の言語で情報共有する重要性が増している。三菱総合研究所は昨年9月、その具体的な手法として「スキル可視化」を提言した。本紙では、東洋大学の鎌田耕一名誉教授、三菱総研の山藤昌志主席研究員、ジョブズリサーチセンターの宇佐川邦子センター長に、労働市場の課題や改革の行方について議論を交わしてもらった。議論の様子を前編・後編の2週にわたって掲載する。

鎌田 本日の座談会では、昨年9月に三菱総合研究所と米国のライトキャスト社がまとめた「スキル可視化で開く日本の労働市場」という提言をベースに、日本の労働市場改革のあり方について議論を深めていきたい。まずは日本の労働市場の現状と課題、改革の必要性について伺う。

宇佐川 日本の労働市場や働き方はフルタイム正社員を前提としている。転職という言葉を一つ例に挙げてみても、中途の正社員の転職しか思いつかない現状がある。この問題が良くも悪くも可視化されたのがコロナ禍だった。コロナ禍で誰を救済すべきかという議論が起きたとき、見えない失業者がいることが明らかになった。サービス業のパートタイマーには、社会保険の加入要件を満たさないよう就業調整している人や、勤務時間が大きく削られた人もいた。その人たちが働いた時間の「失業」は見えず、隠れ失業が発生した。

鎌田 労働法は伝統的に、正社員を中心にした仕組みで出来上がっている。労働保険や社会保険もそうだ。同一労働同一賃金など非正規にも保護を拡大しているのがここ数年の動き。ところが、…

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令和6年3月4日第3439号15面 掲載

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