【裁判例が語る最新安全衛生事情】第122回 日本海員えき済会事件 化学物質過敏症罹患と予見可能性 大阪地裁平成18年12月25日判決

2011.02.01 【安全スタッフ】
  • TL
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

Ⅰ 事件の概要

 被告Yは病院を経営する社団法人である。原告XはYの病院(以下「Y病院」という)に勤務していた看護師である。Xは平成6年4月にアルバイトとして病院に勤務を開始し、平成7年3月からは正社員として勤務したが、平成10年5月からは検査科に配属となり、レントゲン透視室において、大腸ファイバースコープなどの検査機器の洗浄剤などを扱う業務に従事した。殺菌消毒剤としてはグルタルアルデヒドを含有するグルタール剤(ステリハイド、サイデックス)が用いられていた。

 ところがXは検査科配属後、鼻粘膜や咽頭に違和感を感じ口内炎ができやすくなったと感じ、同年6月、医師の診断を受け、ステリハイド吸収による刺激症状と判断された。Y病院では平成11年1月に消毒液をステリハイドからサイデックスに変更したが、Xの咽頭痛は継続し、Y病院は、平成12年6月からサイデックスを使用しない外科や小児科へ配属されたが、同年11月頃から、サイデックスの臭気だけで口内炎ができるようになり、また呼吸困難になることもあり、出勤することに恐怖感を持つようになって、Y病院を退職した。

 退職後、Xの症状は化学物質過敏症として、労基署長より労災と認定され、療養補償給付を受けた。Xは、Yに対して、化学物質(グルタルアルデヒド)の影響で化学物質過敏症に罹患したのは安全配慮義務を怠ったからであるとして損害賠償請求訴訟を提起した。

Ⅱ 判決の要旨

1、原告Xの化学物質過敏症の罹患

 原告Xの症状経過からすると、Xは…

執筆:弁護士 外井 浩志

この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

安全スタッフ電子版へログイン

安全スタッフ電子版は安全スタッフ購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成23年2月1日第2131号 掲載

あわせて読みたい

ページトップ