外国人留学生採用が盛況 国内就職10年で3倍 国による採用支援も充実

2018.06.06 【Web限定ニュース】
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 人手不足が深刻化するなか、外国人留学生の採用が盛り上がりをみせている。日本に就職する留学生は平成17年に5878人だったが、28年には1万9435人に増加した。少子高齢化が進み、若手確保に苦慮する企業から留学生に熱い視線が向けられている。

 5月21日に埼玉労働局が開催した留学生雇用セミナーには、採用を検討する企業55社・74人が集まった(写真)。昨年同時期のセミナーの参加者が20社だったことから、関心の高まりがみてとれる。同労働局の雇用対策課は「人手不足でとくに中小企業でニーズが増加しているようだ」と話す。

 今年度の大学の新卒求人倍率は1.88倍で7年連続の上昇となった。中小企業は9.11倍と、調査開始以来最高の数字で新卒市場の厳しさは年々増している。同労働局の留学生雇用セミナーには、優秀な若手人材を確保しようと、多くの企業の担当者が集まった。

 セミナーでは、プラスチック金型の製造・販売などを営む川島金属㈱(埼玉県川口市、川島康裕代表取締役)の太田由香氏が自社の留学生採用の取組みを発表した。同社は23年に中国人の元留学生を採用したのを皮切りに、これまで計22人を採用。採用には販路拡大など大きなメリットがあったという。

 留学生の採用では、卒業後の在留資格変更が必須となる。入国管理局に提出する書類の中では「採用理由書」が最も重要。採用理由書のポイントについて、太田氏は「記載する担当業務は、外国人材でないとできない業務である必要がある」と指摘した。

 同日午後には大宮ソニックシティ(同県さいたま市)の地下展示場で、外国人留学生を対象とした企業説明会が開催された(写真)。説明会には58社から出展の申込みがあり、抽選で選ばれた42社が留学生に向け自社の魅力をアピールした。

 集まった留学生は712人。国籍はネパール260人、ベトナム218人、バングラデシュ65人、スリランカ56人、ミャンマー26人など、東南アジアが約8割を占めた。中国は69人だった。

 採用活動解禁前ということもあり、この日行われたのは企業による自社の説明のみ。出展した42社はすでにハローワークへの求人申し込みを済ませており、選考を希望する留学生は自身で改めて求人に応募することとなる。

 留学生採用のニーズが増すなか、厚生労働省も積極的に施策を展開している。都市部の新卒応援ハローワークには「留学生コーナー」を設置し、ジョブサポーターによる就職支援を実施している。同コーナーは今年度新たに静岡にも開設し、全国18カ所となった。

 29年度からは東京・愛知・大阪の外国人雇用サービスセンターと同コーナーに、留学生支援を専門に行う外国人雇用アドバイザーを配置した。入管のOBなどが、採用を考える企業の相談に乗るほか、在留資格変更手続きの手伝いをする。

 就職面接会も全国各地で開催している。今年度は6月15日に大阪、7月5日に東京、7月6日には愛知で同サービスセンター主催の留学生を対象とした就職面接会を開催する予定だ。

 一方で課題もある。留学生のうち、63.6%が日本での就職を希望しているが、実際に就職できたのはそのうちの半分程度に留まる。企業の経験不足や日本独自の採用慣行に関する留学生の情報不足、在留資格変更のハードルの高さなどが理由だ。

 留学生の就職を後押しするため、国も動き出している。20年には32年を目途に留学生受入れ30万人を目指す「留学生30万人計画」を掲げた。20年に17万9827人だった留学生の数は、直近の28年には27万7331人に増えた。日本国内への就職者数も20年1万1040人から28年1万9435人に増えている。

 政府の規制改革会議は今年4月20日、「留学生の就職率向上に向けた意見」を公表した。同意見は在留資格変更手続きの簡素化のほか、不許可事例を調査し、ガイドラインで基準を明示することなどを求めた。また、約7割の留学生が東京以外の大学で学んでいることから、地方における就職支援の強化も重要としている。

 同意見は6月4日の同会議の第3次答申にて実施時期など具体化が図られた。不許可事例の調査とガイドラインへの記載は30年度中に実施する。地方における就職支援の強化では、同サービスセンターの増設を30年度中に検討、結論を出し、31年度以降に順次実施するとしている。

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