【幅広い職種で実践が可能! 出来高給導入のススメ】第5回 固定給との併用 安定と意欲向上を両立 歩率変更は丁寧に説明/向井 蘭
2025.08.28
【労働新聞】
基本給を新たに定義
前回はオール歩合給制度が持つ法的リスクと、収入が不安定になるという構造的な課題を解説した。第5回はその解決策として「固定給・出来高給併用型」賃金制度を提案し、オール歩合給制度からの変更を念頭に、その具体的な設計方法を解説する。
固定給・出来高給併用型とは、その名のとおり、毎月定額の「基本給(固定給)」と、成果に応じた「歩合給」を組み合わせて賃金を構成するものである。制度の目的は生活の安定と意欲の向上だ。毎月必ず支払われる「基本給」が収入の土台となるため、営業成績に波があっても、従業員は安定した生活を送ることができる。これは、法律が求める「保障給」の役割も果たす。一方で、頑張りが報われる「歩合給」の仕組みは維持されているため、安定した土台のうえで、成果を上げた分だけ収入はプラスとなる。これにより仕事へのモチベーションを高く保つことができる。
以下では、具体的な…
筆者:杜若経営法律事務所 パートナー弁護士 向井 蘭
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令和7年9月1日第3511号11面 掲載