【社労士が教える労災認定の境界線】第379回 連日の暑さにより屋内工事で朦朧として転倒
2025.07.28
【安全スタッフ】
災害のあらまし
D社は、エレベーターの据付、改修工事業者で、災害発生の日は、夜間にショッピングモールのエレベーター改修工事を行っていた。作業員のひとりが、夜間工事の作業開始前ミーティング中、突然倒れ込むように転倒し、負傷した。原因を調査したところ、ミーティング開始前より1時間ほど早く現場に到着し、エレベーターピット内で当日の作業準備を行ってからミーティングに参加したようである。また、梅雨とは思えない連日の暑さで身体がついていかず、数日前より少し体調を崩していたものの、他の作業員に迷惑がかかると思って不調については申告していなかった。
判断
ミーティング中に、突然意識が朦朧とし転倒した原因が、ミーティング前に行っていたエレベーターピット内での作業により発症した熱中症が原因であると診断され、業務上の災害と認定された。
解説
熱中症とは、高温環境下での労働や運動により、体が熱を放出できなくなり、体温調節機能が麻痺し、体温が上昇して起こる危険な症状で、その症状は軽度から重度までさまざまである。軽い熱中症では、めまいや…
執筆:一般社団法人SRアップ21 東京会
社会保険労務士 小泉事務所 所長 小泉 正典
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2025年8月1日第2479号 掲載