【3500号特別企画】厚生労働省・岸本武史労働基準局長インタビュー 中小含め賃上げを支援 労働基準行政の重点課題
2025.06.05
【労働新聞】

「引き続き上限規制の遵守状況を注視する」と岸本局長(於・労働基準局長室)
本紙では第3500号の発行を記念し、厚生労働省の岸本武史労働基準局長に労働基準行政の重点課題への対応についてお聞きした。「2020年代に全国平均1500円」とする最低賃金の目標達成に向け、助成金パッケージによって生産性向上や正規・非正規間の格差是正、より高い処遇への労働移動支援を着実に進めるとしている。
最賃引上げに対応
――近年は地域別最低賃金の大幅な引上げが続いており、政府は引上げ目標として「2020年代に全国平均1500円」を掲げています。現在の最低賃金の遵守状況と、目標達成に向けた今後の企業支援の方向性についてお教えください。
岸本局長 最低賃金はおおむね遵守されていると思っています。最低賃金支払い義務違反が確認された事業場に対しては、最低賃金法が遵守されるよう、行政指導などの対応をもって是正を図っているところです。
また、最低賃金を含む賃金引上げを持続的に行っていくためには、社会全体の賃上げしやすい環境整備を図っていくことも必要であり、生産性向上や適切な価格転嫁を進めていくことが重要と考えています。
このため、厚生労働省としても、労働市場全体の賃上げを支援する「賃上げ支援助成金パッケージ」として、設備投資や人への投資を通じた生産性の向上、…
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令和7年6月9日第3500号1面 掲載