【スポット】過労死判決 平均額は4369万 3億7000万円の提訴事案も 労災問題研究所

2017.12.08 【安全スタッフ】

 労働災害に関する裁判の判決額を調査・集計している労災問題研究所が、最近3年間に過労死、過労自殺事件での判決額、和解金額の動向をまとめた。判決の平均額は4369万で、和解の平均額は4752万円。提訴段階では3億7000万という高額の事件もあり、平均額は8054万円となっている。

1億円を超える判決も

 労災問題研究所が金額を把握できた過労死・過労自殺事件判決は最近3年間(2014年10月~2017年9月)で51件あり、平均額は約4369万円だった。最高額は岐阜地裁で2016年3月10日に1億550万円の判決があった事件で、電子部品製造会社の男性社員(当時30代)が平均141時間に及ぶ残業によって適応障害を発症して自殺している。提訴以前には労基署による労災認定が行われており、第1回口頭弁論で被告企業が遺族からの請求内容を認諾し、判決金額を即座に支払った。

 一方、和解の件数は21件で、平均額は4752万円だった。最高額は外食チェーン店勤務の26歳女性が過労自殺した事案で、2015年12月8日に1億3000万円の金額で和解が図られている(東京地裁)。

 この期間に提訴された事件全体を見ると47件の平均額は約8054万円。最高額は、2016年に長崎地裁に提訴された3億7000万円の事件となっている。毎月100時間を超える時間外勤務を行っていた33歳の男性医師(当時33歳)が心臓死したもので、遺族は「勤務医を増やしたり、当直日数を減らすなどの措置を講じていなかった」と主張しているという。

 同研究所では、「当然ながら提訴の平均金額がダントツで、判決は広範囲にわたるため予想より平均金額は低かった。和解はほとんどが非公開であり件数が少ないが、実際はもっと多いはず」としている。

 調査の対象は、金額が公表されている過労死・過労自殺(生存含む)を巡る裁判で、過労死弁護団・日本労働弁護団などによる情報を中心に集計している。

掲載 : 安全スタッフ 平成29年12月1日第2295号

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