【裁判例が語る安全衛生最新事情】第348回 研修所転落事件 バルコニーの瑕疵による責任認めず 東京地裁平成29年8月28日判決

2020.07.10 【安全スタッフ】
  • TL
  • ツイート
  • シェア
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

  • コメント

Ⅰ 事件の概要

 原告Xは、勤務先の会社の1泊2日の研修で、被告Y健康保険組合が所有・占有する保養所に宿泊していたが、宴会で飲酒した後、3階の客室の窓の外に避難用に設けられたバルコニーに立ち入り、バルコニーの手すりの開口部(本件空洞部分)から誤って、2階客室のバルコニーの前にあるテラス部分のタイル面に転落し、左踝骨骨折、左肩打撲、両膝打撲などの傷害を負った。

 本件客室から本件バルコニーに立ち入るためには、部屋の窓をまたがないと出られない構造になっている。すなわち、窓の下枠は本件客室側の床面から高さ約48cmの位置にあり、その窓の下枠をまたがないと本件バルコニーには出られない構造になっており、本件バルコニー側の床面から本件窓の下枠までの高さは約70cmであり、本件バルコニーに着地するにも、大人が足を述ばしてようやく足が地面に着く程度の高低差がある。

 Xは、本件バルコニーは通常有すべき安全性を欠いているので、Y健保組合は工作物の瑕疵による責任がある、また、酔客がバルコニーに立ち入ることは予見可能であり、その場合の使用をしても転落防止のための措置を執るべきであったと主張して、Xが被った休業損害、後遺症による逸失利益の損害賠償を請求した。

Ⅱ 判決の要旨

1、本来の用法

 本件バルコニーの構造やその取扱いに係る事情からすれば、本件バルコニーの本来の用法は、本件客室と隣室の利用客が、…

執筆:弁護士 外井 浩志

この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

安全スタッフ電子版へログイン

安全スタッフ電子版は安全スタッフ購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

2020年7月15日第2358号 掲載

あわせて読みたい

ページトップ