【ぶれい考】新卒採用多様化の帰結は/今野 浩一郎
2025.09.04
【労働新聞】
わが国の新卒採用は、多くの新規学卒者を、学校を卒業する4月に「一斉に」採用することとともに、仕事内容を限定しないという意味で「同じ仕事内容で」、教育の専門分野に関わらず「同じ初任給で」採用することに日本型と呼べる特徴がある。
しかし労働市場をみると、たとえば理工系の新規学卒者は文系に比べて一貫して人手不足の状況にあるので、理工系の初任給は文系を上回っても良いはずである。それにもかかわらず日本型の新卒採用は、両者の初任給を同じにするので合理性を欠いた慣行のようにみえる。しかしそれには、理工系、文系に関わらずすべての新卒採用者は社内で一人前に育てあげる「訓練生」であるから、という立派な理屈がある。
しかしここにきて、…
筆者:学習院大学 名誉教授 今野 浩一郎
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令和7年9月8日第3512号5面 掲載