【持続可能な経営を実現する 未来へつなぐ賃金改善】第10回 評価と賃上げ 業務の難易度考慮を 等級や役職と掛け合わせ/津留 慶幸
2025.09.04
【労働新聞】
数値化しにくい貢献も
本連載の過去回でもご紹介してきたとおり、賃上げ・ベースアップ(ベア)の手法には一律と属性別がある。属性別の例として年齢や職種、役職などを挙げてきたが、評価をこの属性の括りに含めるか、別の独立した括りとして扱うかはさまざまな考え方がある。
賃上げやベアに企業の戦略や方針を反映し、その結果として優秀な従業員に厚く配分するという発想は悪くない。しかし、評価に基づく賃上げ・ベアには注意点や難しさが数多くある。
まず挙げられるのが、中小企業では評価制度が整備されていないことが多い点である。そういった企業では、「○○さんは頑張っている」といった経営者の主観的な評価に依存することになる。評価はどこまで突き詰めても主観的な要素を完全に排除することはできないが、賃上げの根拠として従業員に説明するのであれば、何かしらの基準は示したい。客観性や納得感を欠いた賃上げはかえって…
筆者:クラフト人事コンサルティング 代表取締役 津留 慶幸
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
令和7年9月8日第3512号6面 掲載