【70歳就業時代到来! 高齢者の労務管理】第18回 労働者間の待遇差異 「定年後拡大」避けて 職種などで違いあっても/川嶋 英明
2025.05.15
【労働新聞】
法令クリアしても感情面で不満
一口に高齢者といっても、個々の能力やそれまでに経験してきた業務内容、会社での役職などは大きく異なる。定年再雇用の際に、そうした違いを反映させる形で労働条件を決定したいと考える会社や、実際に決定している会社は少なくないだろう。たとえば、同じ会社の社員でも、ずっとホワイトカラーとして働いてきた社員と、現場業務に従事してきた社員とで、定年再雇用後の労働条件などが異なる場合がこれに当たる。また、役職に就いていたか否かや、就いていた役職が何であったかで違いを設ける場合もある。
このように、現役時代の働き方に応じて、定年後に有期雇用で再雇用する場合の労働条件に差を付けることに何か問題はあるのだろうか。同一労働同一賃金に関しては、あくまで正規と非正規の格差に対して適用されるものであり、正規同士や非正規同士の待遇差は対象外となる。たとえば、正社員の定年年齢を、役職に就いている場合は65歳、就いていない場合は60歳とする制度設計であっても、あくまで正規同士で差を設けているだけなので、同一労働同一賃金上は問題とはならない。また、ホワイトカラーと現場業務といった現役時代の職種の違いで…
筆者:社会保険労務士川嶋事務所 代表 川嶋 英明
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令和7年5月19日第3497号13面 掲載