『裁判例が語る安全衛生最新事情』の連載記事

2024.07.09 【安全スタッフ】
【裁判例が語る安全衛生最新事情】第444回 トラック運送会社ほか事件 行政処分や労災認定が判断に影響 神戸地裁姫路支部令和5年1月30日判決

Ⅰ 事件の概要  被告Y1社は、貨物自動車運送業、倉庫業を目的とする会社であり、被告Y2、Y3は代表取締役であった者である。また、被告Y3は、その後死亡し、被告Y4はY3の妻、被告Y5はY3の長男、被告Y5はY3の次男である。  原告Xは、平成9年にY1社に入社し、主として食料品などの運送業務に従事していたが、平成28年6月20日に急性下……[続きを読む]

2024.06.26 【安全スタッフ】
【裁判例が語る安全衛生最新事情】第443回 セントラルインターナショナル事件 降格による抑うつ反応で企業責任 東京高裁令和4年9月22日判決

Ⅰ 事件の概要  被告Y社は、物流アウトソーシングをメーン業務とする生産加工業務、マタニティ・ベビー市場のマーケティングなどを行っている会社。原告Xは、平成25年12月に正社員に雇用された女性社員である。メディア事業部に所属し、成績優秀で、同27年1月には優秀社員表彰を受け、同年4月1日付で次長職に昇進して昇給した。  Xは、C部長の仕事……[続きを読む]

2024.06.11 【安全スタッフ】
【裁判例が語る安全衛生最新事情】第442回 Y社事件 下請けの被災で元請けに安全配慮義務 東京地裁令和4年12月9日判決

Ⅰ 事件の概要  被告Y社は、油圧機械の製作、販売、再生加工を目的とする会社である。Y社は、スリランカ国籍のAを代表者とする訴外B社に対して、工場内に設置された金属製の棚をガスバーナーで溶断して解体する工事を依頼した。B社には人手がないとして、Aの義理の弟でスリランカ人の原告Xの了解が取れれば、本件解体工事を請ける旨をY社に伝えたところ、……[続きを読む]

2024.05.28 【安全スタッフ】
【裁判例が語る安全衛生最新事情】第441回 警視セクハラ事件 性差別発言に人格権の侵害認める 東京高裁令和5年9月7日判決

事件の概要  原告Xは平成5年に警察庁に入職した女性の警察官である。平成26年4月からは警察庁の対策室の課長補佐として犯罪収益に関する資金分析をしていた。被告Yは、昭和61年に県警に採用された男性の警察官であり、平成26年3月から警察庁に出向し、Xと同じ対策室の課長補佐を務めていた。  平成27年1月、Xは、上司に対して「Yの異常言動につ……[続きを読む]

2024.05.10 【安全スタッフ】
【裁判例が語る安全衛生最新事情】第440回 いわきオール・宇徳等事件② 医療措置義務負う発注者の過失認めず 仙台高裁令和4年5月19日判決

Ⅰ 事件の概要  被告Y5社の所有する福島第一原子力発電所(1F)での復旧作業が行われていたが、その構内の車両整備工場をY5社は運営し、Y4社に委託していた。Y4社はその車両整備業務をY3社に委託していた。  亡Aは、平成24年3月にY3社と労働契約を締結し、その車両整備工場で勤務しており、Y3社の代表取締役社長が被告Y1であり、取締役総……[続きを読む]

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