【最近の書類送検事件】岩手・宮古労働基準監督署ほか

2015.10.01 【安全スタッフ】
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 安全スタッフ、労働新聞の記者が全国で起きた書類送検を調査し、主な事件を掲載しました。カッコ内は、書類送検した日付。毎月1日号掲載。

 岩手・宮古労働基準監督署は、トンネル掘削工事で、崩落の恐れがあるにもかかわらず、直ちに作業を中止し、労働者を安全な場所に退避させなかったとして建設会社と同社作業主任者を安衛法違反の疑いで盛岡地検宮古支部に書類送検した。2回目の大規模な崩落が起きたとき、労働者1人が崩落した岩の下敷きになり死亡した。(H27・8・3)

 福岡・行橋労基署は、土止め支保工を設け危険を防止する措置を怠ったとして土木工事業の個人事業主を福岡地検小倉支部に書類送検した。汚水管埋設工事現場で、掘削した箇所で作業を行っていた労働者1人が崩壊した土塊の下敷きになって死亡した。(H27・8・3)

 茨城・土浦労基署は、墜落防止措置を怠ったとして木造家屋建築業の個人事業主を水戸地検土浦支部に書類送検した。木造家屋の新築現場で、躯体の組立て作業をしていた労働者が部材の上に乗ったところ、部材が動き、約3m下の床面に墜落して死亡した。(H27・8・5)

 京都・舞鶴労基署は、労災かくしをしたとして、電気工事業の会社と同社元事業所長を京都地検舞鶴支部に書類送検した。自社の労働者が溶接作業中に火傷を負って4日間休業することになったにもかかわらず、労基署長に労働者死傷病報告を提出していなかった。(H27・8・5)

 東大阪労基署は、プレス機械作業主任者を選任しなかったとして、プレス加工業の会社と同社代表取締役を大阪地検に書類送検した。同社に安全装置の切替えキーを保管する者がいなかったため、キーがスイッチに付けられたままで、安全装置が切られた状態になっていた。安全装置が切られた状態で作業をした労働者が手三指を切断した。(H27・8・5)

 愛知・豊橋労基署は、他の者が誤って起動装置を入れることによって機械に危険が生じるおそれがあるときは、表示板などを取り付けなければならないが、これを怠ったとして建設会社の取締役を名古屋地検豊橋支部に書類送検した。高速道路の工事現場で労働者が電動コンクリートミキサーの清掃作業を行っていたところ、停止していた機械が作動し、撹拌羽根に巻き込まれ左足大腿部を切断した。(H27・8・7)

 高知労基署は、移動式クレーンで定格荷重を超える荷をつったとして、建設業の下請会社と同社現場責任者を高知地検に書類送検した。道路工事現場で現場責任者が移動式クレーンを運転していたところ、クレーンごと道路下へ転落し死亡した。元請会社とその現場代理人も、作成した計画どおりに作業を行うよう指導しなかったとして、書類送検されている。(H27・8・11)

 茨城・水戸労基署は、無資格で移動式クレーンの運転と玉掛け作業をしたとして建設会社と同社代表取締役を水戸地検に書類送検した。代表取締役と労働者が伐採後に仮置きされた丸太材を、クレーン荷台に積み込む作業を行っていたが、補助作業をしていた労働者が斜面から転落し、丸太材に激突して死亡した。(H27・8・11)

 栃木・大田原労基署は、墜落防止措置を怠ったとして、建築工事会社と同社代表者を宇都宮地検大田原支部に書類送検した。木造住宅新築工事現場で、労働者が住宅の屋根の頂上部分で屋根材を取り付ける作業を行っていたところ、墜落し死亡した。(H27・8・19)

 埼玉・熊谷労基署は、墜落防止措置を怠ったとして、プラント工事会社と同社現場責任者をさいたま地検に書類送検した。工場内で通路の修理作業を行っていた派遣労働者が、高さ22mの位置から墜落して死亡した。(H27・8・19)

 福島・富岡労基署は、労災かくしをしたとして、住宅除染を行う会社と同社取締役、現場所長を福島地検いわき支部に書類送検した。除染現場で、労働者がドラグ・ショベルに右足をひかれ、骨折する労働災害が発生したが、代表取締役と現場所長は共謀のうえ、労働者死傷病報告を提出しなかった。(H27・8・20)

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平成27年10月1日第2243号 掲載

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