【持続可能な経営を実現する 未来へつなぐ賃金改善】第9回 非正規社員 退職金で賄う方法も 年収の壁意識する層には/津留 慶幸
2025.08.28
【労働新聞】
労働の目的や意欲多様
賃上げといえば正社員が話題の中心ではあるが、この数年は非正規社員の賃上げも行われている。非正規社員は人件費抑制の象徴的な存在でもあり、従来、処遇改善の議論の対象にならないことが多かった。
同一労働同一賃金というワードが注目を浴びたこともあったが、実際には不合理な待遇差の禁止であり、必ずしも文字どおりの「同一労働同一賃金」を実現するものではなかった。筆者も当時、同一労働同一賃金に関するセミナーを依頼され各所で講演したが、参加者の関心の大半は、どうすれば同一労働同一賃金を避けられるかであった。
しかし、今は非正規社員の確保にも苦労している企業が多い。その結果、最低賃金の上昇と相まって、非正規社員の賃金も上昇傾向にある。社会的には良いことであるが、人件費の増加要因や考慮すべき対象者が増え、企業側にはより負荷が掛かっているのもまた事実である。
非正規社員の賃上げを検討する際にまずぶつかる課題は、…
筆者:クラフト人事コンサルティング 代表取締役 津留 慶幸
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令和7年9月1日第3511号6面 掲載