【持続可能な経営を実現する 未来へつなぐ賃金改善】第8回 中堅・ベテラン従業員 管理職手当引上げも 降職の影響は事前に考慮/津留 慶幸

2025.08.21 【労働新聞】
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能力や成果に個人差が

 一般報道で取り上げられることの多い大手企業が新卒採用中心であることから、新卒や若手に対する賃上げの方が注目されやすい。一方で、業務の中核を担っている中堅・ベテランの処遇がどのように改善しているのかは不透明だ。筆者の個人的感覚でいえば、彼らの貢献や責任の重さに見合った賃上げがなされているかといえば、必ずしもそうではないと思う。むしろ、賃上げの議論では後回しにされがちである。

 中堅・ベテランの賃上げの難しさの1つは、その判断が一律にできない点にある。新卒~若手は業務遂行能力や生み出す成果に大きな差がない。一方、経験を積んだ中堅・ベテランは能力や成果に個人差が出やすい。賃上げを行うにしても、評価などにより区別したくなるのは自然なことだ。

 また、転職市場において若手ほどの流動性がなく、退職リスクが低いと判断されがちである。これも、賃上げの優先順位が後回しにされる要因であろう。だが、実際に後回しにしてしまうと、中長期的には大きな損失となり得る。彼らは組織の文化や業務を良く理解し実践しており、若手の育成や現場の安定的な運営に不可欠な存在である。

 とくにマネジメントの役割が求められる従業員の場合、離職やモチベーション低下の影響は非常に大きい。近年では、部下の多様な働き方やコンプライアンスへの配慮、ハラスメント防止といった要素がマネジメント業務に加わり責任が増している。生成AIの活用に代表される、自身が若い頃には存在しなかったツールやシステムのキャッチアップには苦労も多い。こうした変化に対応できる人材は…

筆者:クラフト人事コンサルティング 代表取締役 津留 慶幸

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令和7年8月25日第3510号6面 掲載
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