【50人未満事業場 安全衛生基本のキ】最終回 3つのポイント 投資に当たると説得 時間・予算の確保に向け/野口 紀央
2025.06.19
【労働新聞】
厚労省が作ったポスターを活用
「労働者50人未満の小規模事業場が適切な安全対策を取るには、3つのポイントがある」と、本連載の初回に申し上げた。①安全衛生推進者(業種により衛生推進者、以下安全衛生推進者等)が経営者に対する動機付けを行う、②経営者が時間と予算を確保する、③安全衛生推進者等が従業員に教育を徹底して行う――の3点だ。最終回では、この点を踏まえて第三次産業の小規模事業場における安全対策の要諦をお伝えする。
まず、経営者への「動機付け」で重要なのは、いかに労働災害を身近に感じてもらうかだ。「労災が発生し、従業員が後遺障害の残るケガをしたり、亡くなったりすると高額の賠償責任を負うし、社会的評価も低下してしまう」などと繰り返し伝えていく。安全への関心が高まってから具体的な安全衛生活動に着手すると、当事者意識を持って迅速に対応してもらいやすい。その後は随時、法改正などの情報を収集し、対応するよう促していく。
②の安全衛生活動に費やす時間は、“本業”のなかに組み込むと確保しやすい。たとえば、経営計画などを話し合う会議のなかで、…
筆者:社会保険労務士野口紀央スマートオフィス 代表 野口 紀央
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令和7年6月23日第3502号10面 掲載