2022年の安全衛生ニュースを振り返る(5) 建物解体の事前調査に新資格 石綿ばく露防止で厚労省が報告書

2022.12.28 【Web限定ニュース】
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11時間の講習受講を要件に

 厚生労働省は11月9日、「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会」報告書を公表した。石綿が使われている建築物の解体・改修工事で、新たに「工作物石綿事前調査者」(仮称)による事前調査を義務付ける案を示している。

 対象範囲は、炉設備や電気設備のような調査にあたり当該工作物に係る知識を必要とする工作物、煙突やトンネルの天井板などの建築物一体設備。いずれも石綿使用のおそれが高い特定工作物として厚生労働省が告示で定めているもの。建築物一体設備では、新設の調査者に加えて、建築物石綿含有建材調査者も実施可能にするとした。また、建築物以外のエレベーターやコンクリート擁壁などであっても、石綿を含有するおそれのある塗料、モルタルなどを使用した工作物については、塗料の剥離や基礎解体を行う場合に資格者による事前調査を行うべきとしている。

 新資格者には一定の講習の修了または、それと同等以上の知識・経験を有することを要件として求めるとした。講習内容は、工作物石綿事前調査に関する基礎知識や、石綿使用に係る工作物図面調査など合計11時間とする予定だ。講習の品質管理のため、建築物石綿含有建材調査者講習と同様に、登録講習機関による講習とすべきとしている。

 厚労省では、今後速やかに石綿障害予防規則を改正し、新資格者による事前調査を義務付ける方針。調査者の養成を進める必要があるため、省令公布後、少なくとも2年~2年半程度の準備期間が設けられる見込みだ。

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