【主張】既得権の殻を破るとき…

2017.03.20 【社説】

 官邸主導による各種労働法制の見直しが、ワン・パッケージで進展しつつある。生産性向上と労働環境改善に向けた全面的な働き方改革実現をめざすものだ。政労使は、それぞれ既得権の殻を破り、わが国経済・産業全体の発展と成熟に向けて連携・協力し、各種見直しに邁進すべきである。数年のうちには各分野における成果を実感したい。

 検討中の働き方改革メニューは、多岐にわたっている。

 主なものでは、時間外上限規制の強化、同一労働同一賃金法制の整備、高度プロフェッショナル制度の創設、企画業務型裁量労働制の対象拡大、解雇の金銭救済制度の導入、兼業・副業促進などが挙げられる。近来にない重要な制度改革ばかりだ。

 36協定の時間外限度基準を大臣告示から法律規定に格上げしたうえ罰則を適用するという見直し案を含め、いずれの改革メニューも困難な論点があり、これまで着手できずにいた。今後も労使・与野党間で意見の対立が生じることがあろうが、これを乗り越えて全面的な働き方改革が成し遂げられれば、わが国の労働環境の飛躍的なレベルアップにつながるだろう。

 改革のカギとなるのは、現在国会に上程中の労働基準法改正案の成立である。同法案に盛り込まれている高度プロフェッショナル制度は、一部の専門業務と高額年収者を対象に労基法の時間外規制を適用除外する画期的なものである。与野党対立法案と目されて、未だ審議されていないが、4月以降、同改正案の成立に向けた協議をできるだけ早く開始すべきである。

 国会上程中の労基法改正と並行して、時間外労働規制の強化、同一労働同一賃金法制の整備なども躊躇せず実行してもらいたい。

 それぞれの見直しを単体で捉えてしまうと、労使双方で譲れなくなり、袋小路に踏み込む可能性がある。しかし、進行中の働き方改革をワン・パッケージとして捉えれば、全体としてバランスをとることができ、労使合意が整う道が開ける。

 安定政権が継続しているうちに、大胆な働き方改革メニューをこなしていきたい。

掲載 : 労働新聞 平成29年3月20日第3105号2面

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