【主張】岐路に立つ「日本型雇用」

2018.12.13 【社説】
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 日本型雇用慣行が徐々に崩れつつある実態が明確となった。このほど明らかになった雇用政策研究会(樋口美雄座長)の報告案によると、企業内の「生え抜き正社員」の割合が漸減傾向にある一方、正社員の補助的な位置付けの有期契約・職務限定労働者のウエートが高まっている。

 日本型雇用慣行が、長年にわたってわが国の経済社会の発展に大きく貢献してきたことは明らかだが、今後どのような雇用システムをめざすべきかについて、積極的に議論すべき時代が来ている。わが国の国際的な地位向上をも視野に入れ、労働法体系のあり方を含めた総合的な改革ビジョンが各方面から提起されることを望みたい。

 無期契約・職務無限定の正社員を新卒一括採用し、長期雇用、年功賃金として処遇する日本型雇用慣行が未だ根強く継続しているものの、一方で徐々に変容しつつあるのも現実だ。若年期に入職してそのまま同一企業に勤め続ける「生え抜き正社員」の割合は、2005年時点で大卒58%、高卒36%であったが、16年時点では、それぞれ52%、30%に低下した。

 代わって増大しているのが、従来まで正社員の補助的な位置付けとされてきた有期契約・職務限定のいわゆる非正規雇用労働者のウエートである。このまま推移すれば、近い将来、「生え抜き正社員」が主流の時代は終わりを告げることになろう。

 非正規雇用労働者が労働力の主流となれば、働き方改革でも重要な課題となっている「同一労働同一賃金」をさらに推進して、全体としての賃金水準を維持、向上させていく必要がある。転職・再就職しても不利にならない労働市場を形成して、全体として適材適所を実現していくことも重要だろう。

 労働法体系は、過度の解雇規制から脱却し、企業間・産業間の労働移動を活発化させる必要があるかもしれない。解雇時の金銭補償システムを確立すれば、非正規雇用労働者にとっても有利に働こう。

 雇用システムは、明らかに岐路に差し掛かっている。わが国の土壌に適合した独自の道を切り開いていきたい。

平成30年12月17日第3189号2面 掲載

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