【主張】令和3年の“2つの課題”

2021.01.07 【社説】
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 令和3年、政府と産業界は働き方改革の継続・深化とコロナ不況からの脱却を柱に、最大限の対策を打ってもらいたい。働き方改革は、労働者保護規制の強化から労働生産性向上をめざす新たな段階に入った。日本型雇用慣行の非効率性をどのように改めるべきか本格的な検討をスタートさせ、中長期的改善につなげていくべきだ。コロナ不況による雇用情勢悪化については金融緩和と財政出動の積極化が鍵となる。財政のプライマリーバランス黒字化を棚上げして、需要創出を最優先してもらいたい。

 新たな年が明けた。昨年は100年に1度のパンデミックに襲われ、長く厳しい季節を過ごした。新年は、新型コロナ感染症を日常的なものと捉え直して、過度な恐怖心を捨てる必要がある。ワクチンの接種が進むと考えられ、世界的にも感染拡大が収束方向に向かうだろう。東京オリンピック・パラリンピックも必ず開催し、異常な世界を元に戻す努力をすべきである。

 働き方改革は、新たな段階に入っている。昨年まで労働時間規制の強化、同一労働同一賃金など労働者保護の全面的な整備が進んだ。いずれも日本の労働現場において、不可欠なもので評価できる制度改正が続いたと考えられる。菅政権においては、引き続いて働き方改革を深化させていくことが期待される。

 一つの方向として、日本の最大の欠点である労働生産性の向上に重心を置いてもらいたい。そのため、日本型雇用慣行の非効率性に着目すべきだろう。新卒一括採用を入り口としたメンバーシップ型雇用の負の部分をどのように見直すべきか本格的な検討を求めたい。職務基準のジョブ型雇用と成果によって処遇する割合を拡大していくことになろうが、具体的な道筋を明確に示すことが重要である。

 雇用情勢については、政府による正しいマクロ経済政策が前提となる。需給ギャップを埋める財政出動を躊躇なく大規模に実施するほか道はない。プライマリーバランスの黒字化を棚上げし、新型コロナ以前の正常な雇用情勢に戻すための経済政策に全力を尽くすべきである。

令和3年1月11日第3288号2面 掲載

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