【主張】フリーの活用に水差すな

2020.02.20 【社説】
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 厚生労働省内で、「雇用類似の働き方」に関するルール作りの議論が大詰めの段階に来ているが、心配な点がある。細かな規制強化を多数設定して、活用が広がっているフリーランス就業市場に水を差さないかという懸念だ。

 議論では、実効性確保の手段として、行政・監督指導権限まで俎上に上っている。企業が、フリーランスの活用を抑制してしまっては意味がない。ルール作りにおいて十分考慮してもらいたい。

 これまでの議論をみると、その内容は極めて多岐にわたる。契約の締結・変更・終了、報酬の支払確保、安全衛生関係、就業時間、損害賠償額の予定などである。

 「雇用類似の働き方」とは要するに、雇用関係にないフリーランスのことである。基本的に厚労省の守備範囲外に属するもので、これまでほとんど手を付けてこなかった。今回、安倍政権の方針でフリーランスの就業条件を整えるよう厚労省に下命された。当然、日本経済全体にプラス効果とするのが狙いである。

 守備範囲外とはいえ、フリーランスの就業条件整備を厚労省が行うことについては、それほど異論はないが、様ざまな規制強化を生み出して企業と就業側の行動を縛るのは避けてもらいたい。

 最も気になるのが、実効性確保の手段を議論していることである。選択肢として、①ガイドラインにより企業などに対して一定の作為を促す方法、②行政が指導監督を行う根拠として企業などに対して一定の作為を求める方法、③契約に関する基本的な事項や一定の条件の契約を無効として、裁判所の紛争解決機関を利用することにより権利・義務を実現する方法――などを示している。

 受入れが可能なのは、①のガイドラインによる方法である。それ以外は、企業にフリーランスの活用を躊躇させる要因となる。

 一連の働き方改革では、ほとんどにおいて何らかの規制強化を実施してきた。規制緩和により経済の成長を促すという方向とは正反対である。フリーランス活用において、強力な規制を設けることには賛成し難い。

令和2年2月24日第3246号2面 掲載

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