【主張】新たな労働改革に着手を

2020.11.12 【社説】
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 菅義偉総理の下で第203回臨時国会が開幕した。所信表明演説に対して、将来ビジョンが乏しいなどとする一般報道があるが、全体として菅総理らしい実務中心の課題が凝縮した聞き応えある内容だった。しかし、労働分野において、重点取組み課題を表明したものの、今一歩、力強さが欠けていた。働き方改革は国の形を決める大きな課題といえる。前政権を引き継ぐのなら、間断なく新たな制度改正に臨んでもらいたい。

 経済全般については、8年前の政権交代以来、一貫して重視してきた「経済の再生」をめざすとしている。働く人を新たに400万人増加させたアベノミクスを継承し、さらなる改革を進めていくと訴えた。コロナ禍で厳しい経済情勢の中にあっても、雇用を守るための事業継続に向けた経済的支援を続けていく考えという。

 雇用の維持、拡大にとって決定的に大切なのは、金融緩和と財政出動である。いくら掛け声が強くても、需給ギャップを埋める財政出動が伴わないと、空砲に等しい状態となってしまう。早期に再度の大規模補正予算を組んで、下支えを強化する必要がある。前政権では、最後まで財政規律の呪縛から脱せず、事実上、経済成長路線が断ち切られてしまった。

 労働・雇用制度に関して菅政権は、テレワークやワーケーションの推進、同一労働同一賃金への改革、就職氷河期世代への就職支援のほか、女性、外国人を含めた中途採用の登用を促進して多様性のある職場の実現に目標を置いているようだ。

 前政権を引き継ぐとしている以上、これらの課題に取り組むことは不可欠だが、余りに平坦過ぎてアピール力に欠けている。前政権が手掛けてきた働き方改革が幅広く、強力なものだっただけに、今後に不安を抱かざるを得ない。

 菅政権ならではの実務能力、強いリーダーシップ、そして早期決断力を生かして、これまで未完成に終わっている働き方改革に立ち向かってもらいたい。前政権の方針を引き継ぐだけでなく、新たな制度改正に間断なく挑戦し、深化させていくべきである。

令和2年11月16日第3281号2面 掲載

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