【主張】物足りない緊急経済対策

2020.04.16 【社説】
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 先進各国が、新型コロナウイルスのパンデミックと経済暴落による雇用崩壊阻止に向け、前代未聞の大規模経済対策を打ち出した。アメリカ、イギリス、ドイツなどにおいて、共にGDP(国内総生産)の1~2割程度の予算を計上し、すでに実行しつつある。日本も実効性が期待できる大規模な経済対策を早期実行しないと、再び世界から取り残される。

 報道によると、アメリカでは、総額2兆ドル(約220兆円)を投入し、個人への現金給付や中小企業などを支援するという。2008年のリーマン・ショック後にオバマ政権が実行した総額約8000億ドルの経済対策を上回り、過去最大である。現金給付は大人1人最大1200ドル(約13万円)、子ども500ドルとしている。今後も必要に応じ、継続的に現金給付していく方針という。

 イギリスでは、企業が従業員の雇用を維持した場合、給与の8割、1人当たり月額最大2500ポンド(約33万円)を政府が補助するとした。同国が、従業員の賃金支援を行うのは史上初めてという。  

 日本はようやく緊急経済対策をまとめ、5月以降の実行を見込んでいるが、対応が遅過ぎる。内容も、収入減などを条件に一世帯に30万円の現金給付を行うなどというが、10兆円規模では対象を絞り過ぎで効果は期待できない。

 サービス業など経営難に陥りそうな中小・零細企業に対する直接的な資金援助による雇用維持を最重要課題としつつも、その上で内需回復に向けた大規模な一律現金給付が不可欠である。倒産したり、収入減で生活が立ち行かなくなってからの対応では手遅れだ。その後の再生が難しくなるのは明らかだろう。コロナショック後のV字回復を狙うなら、ショックの緩和と浮揚をにらんだ実効性ある対策を打ってほしい。プライマリーバランスの達成目標も一旦棚上げすべきである。

 内需拡大の決め手は、消費税減税であることも忘れてはならない。自民党有志議員100人余りが、政府に減税を申し入れたという。戦後最大の経済危機対応に躊躇していたら禍根を残す。

令和2年4月27日第3254号2面 掲載

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