【主張】労基法案成立向け協力を

2017.07.24 【社説】

 報道によると、連合が「高度プロフェッショナル制度」の導入を条件付きで容認する方向が明らかになった。「労働者を過労死に追いやる『残業代ゼロ法』を強行採決!」と宣伝されることを恐れていた与党は、労働基準法改正案に一切手を付けず継続審議を重ねてきたが、連合の容認により袋小路から脱することができたと考えていい。

 野党はこの流れを受け入れて、「残業代ゼロ法」などと誤った宣伝をやめ、修正・成立に協力すべきである。

 「働き方改革」が最重要課題としている現政権は、時間外規制や監督指導の充実などを中心とした長時間労働是正にスピード感をもって取り組んできており、その姿勢は高く評価できる。時間外規制に関する労基法改正は、すでに法案作成段階に到達しておりあとは国会の開催を待つばかりだ。

 最大のネックが、継続審議となっている労基法改正案の扱いである。新たに提出予定の時間外規制に関する労基法改正案との間で舵取りに困難を生じることは明白だった。

 この状況を打開するために、安倍首相が連合の神津会長の要請に応じて会談し、「高度プロフェッショナル制度」の修正・導入の合意につながった。政権への支持率に不安が生じていることもあるが、安倍首相の「働き方改革」にかける意気込みが伝わる動きとみることができよう。

 野党は、連合が容認したことを重く受け止める必要がある。今後は、「残業代ゼロ法」という演出に無理が生じることは明らかだろう。時間外規制と「高度プロフェッショナル制度」を一体としてテーブルに乗せることができれば、労使双方にとって建設的な審議につながるはずである。

 そもそも、「高度プロフェッショナル制度」は、自由裁量の利く職種限定でしかも高年収のごくわずかな労働者に適用されるものである。一口に「残業代ゼロ法」と表現して全面反対するのは、わが国産業にとって有益ではない。生産性向上へ向けた新しい働き方として導入する意義は小さくないはずだ。労基法改正案成立により、「働き方改革」が大きく前進しよう。

掲載 : 労働新聞 平成29年8月7日第3123号2面

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