【主張】先端技術の遅れ取り戻せ

2018.08.02 【社説】
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 わが国は、働き方改革が一段落したのち、人材育成と生産性を飛躍的に向上させて「Society5.0」に対応する必要がある。すでにアメリカや中国などに最先端技術分野で後れを取っているのが現状であり、このままだと得られるべき利益が大幅に縮小する恐れがある。厚生労働省や経済産業省、大学、民間研究機関の相互連携をベースとした人材育成と技術開発を強力に進めてもらいたい。もう時間的余裕はない。

 Society5.0が想定している社会では、IoTで全ての人とモノがつながり、様ざまな知識や情報が共有される。人工知能により必要な情報が必要な時に提供されるとともに、ロボットや自動走行車の技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の差などの課題が克服される。こうした社会変革を通じて、一人ひとりが快適に生活し、活躍できる社会へと進んでいくだろう。

 7月に入って本格化した米中貿易戦争も、最先端技術の争奪戦が根底にあるといわれている。アメリカ側の見方では、中国が巨額の資金を投じてシリコンバレーの最先端技術を自国に持ち帰っているのが実態としている。アメリカは、経済戦争の枠を超え、安全保障にかかわる問題として看過できなくなった。

 わが国も、働き方改革の大きな山を越えたあと、最先端技術分野での人材育成に勢力を集中する必要がある。新たに導入する高度プロフェッショナル制度を研究開発分野でうまく運用し、ワーク・ライフ・バランスを維持しながら効率的な人材活用と技術革新を成し遂げていかないと、世界の後塵を拝する結果となりかねない。

 産学官は、ともに危機感をもち各分野の技術を活用したものづくりを一丸となって促進していくべきである。技術者が常に最先端の研究などに携われるよう生涯を通じたリカレント教育を拡充していく必要もある。そのため、実践的な教育プログラムの開発を急がなければならない。

 現状に立ち止まっていたら後世に大きなツケを回してしまう。働き方改革を機に決意を新たにすべきだ。

平成30年8月13日第3172号2面 掲載

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