【主張】成果主義賃金の再整備を

2018.06.21 【社説】
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 働き方改革関連法案が間もなく成立する見通しとなった。同法案の注目点は多岐にわたるが、やはり新設する高度プロフェッショナル制度のわが国経済・産業に及ぼすプラスの影響に関心が集まろう。企業としては、これを機会に目標管理制度をベースとした成果主義賃金制度の再整備に着手してもらいたい。一度適用された労働者が適用除外を申し入れることのないよう公正で納得性の高い処遇を用意すべきである。

 高プロ制では、法案修正によって同意要件が明確化され、その撤回によって対象外となる道を確立した。労働者の意思に基づいて、出入り可能なことがはっきりし、極めて好ましい修正といえる。成果を出すことが厳しいと感じた労働者などが、自己の意思に基づいて適用から外れることができれば、心身の健康も維持されよう。

 企業に対しては、間違っても真に対象とならない労働者に適用しないよう注意を促したい。高度の専門的知識を有し、しかも時間と成果との関連が高くない労働者で、年収1000万円程度以上という条件を逸脱してしまったら、また社会問題となりかねない。そうなれば、規制強化されて自由度が狭まるばかりだ。ブラック企業のレッテルを張られる恐れもある。

 成果主義の再整備は欠かせないだろう。成果に基づく賃金、労働条件を分かりやすく提供できないと不満が高まる。対象は、金融商品の開発、金融商品のディーリング、市場アナリスト、事業コンサルタント、研究開発などに絞られるとみられる。いずれも成果が判定しやすい業務ばかりだが、何を成果と位置付け、どのように賃金に結び付けるかを整えて、改めて労働者に明らかにし不公正感が生じないよう準備してほしい。

 わが国における年収1000万円以上の労働者は138万人、約2.8%と少ない。さらに対象業務に絞れば極めて小さな割合にしかならない。しかし、管理監督者以外に労働時間規制から外れる労働者層が生まれる意義は大きい。イノベーションで欧米に後れを取るわが国がようやくスタート地点に立った。

平成30年6月25日第3166号2面 掲載

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