【主張】働き方改革推進に追い風

2017.10.30 【社説】

 総選挙によって、国民の審判が下された。自民党、公明党の連立政権が推進してきたアベノミクスと働き方改革が圧倒的に支持されたと考えて良い。政府は、労働基準法改正を柱とする働き方改革に勢いをつけ、労働環境の改善と経済成長の達成に躊躇なく邁進してもらいたい。

 労基法改正に対する与党のこれまでの対応姿勢は、極めて消極的だった。平成27年4月3日に通常国会に提出された旧労基法改正案は、継続審議を重ねた挙句に一度の審議もせず取り下げられてしまった。いつ総選挙があるか分からない状況にあったため、与野党対立法案と位置付けられていた審議を回避してきたと考えられる。

 ネックだったのは、「残業代ゼロ制度」とレッテルを貼られてしまった高度プロフェッショナル制度である。今回の労基法改正から切り離されて後回しとなったら、いつ成立するか分からなくなる。経営側としては容認できないだろう。強硬に反対する労働者側と厳しく対立するのは明らかだった。

 企画業務型裁量労働制に課題解決型提案営業を追加する点も労使対立は明確である。労働側は、過労死・過労自殺を防ぎ、ゆとりある生活を送るために実効性ある施策を講じる必要があるにもかかわらず、逆行していると訴えた。

 しかし、総選挙によってこれまで進められた働き方改革が支持された形である。十分審議を尽くすのは当然として必ず何らかの成果を上げなければならない。

 新労基法改正案は、この高度プロフェッショナル制度や企画業務型裁量労働制の対象拡大のほかに、時間外労働の規制強化、不合理な待遇差を解消するための規定整備、勤務間インターバル制度の普及拡大などを追加している。複数の改正事項を有する重量級の見直しであり近年では例がないほどだ。働き方改革を最重要課題とする政府の姿勢を体現したものである。

 最大の山場となる次期通常国会を前に民意を問う総選挙が実施された意味は大きく、これ以上の追い風はない。印象操作や重箱の隅をつつく論議はもう通用しない。

掲載 : 労働新聞 平成29年10月30日第3134号2面

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