【主張】功績大きかった安倍政権

2020.09.10 【社説】
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 多方面に亘って歴史的功績を残した安倍政権が、7年8カ月で幕を閉じる。外交・国防分野においては、米英などとの連携を強化し、世界における日本の地位向上に大きく貢献した。経済分野では、バブル崩壊とリーマン・ショック後の長期デフレスパイラルから日本を救った。

 そのなかで、本紙としては、強力なリーダーシップの下で広範囲に進められた「働き方改革」と劇的な改善を達成した雇用情勢に注目したい。安倍政権は、雇用・労働分野においてもその功績が長く語り継がれるに違いない。

 平成30年の通常国会では、主要8労働法を一括した働き方改革推進法が成立した。時間外上限規制や高度プロフェッショナル制度の創設、そして不合理な待遇格差の是正をめざす「同一労働同一賃金」の考え方を大胆に導入した。年次有給休暇付与の考え方も大きく転換させ、使用者に時季指定を義務化した。

 最近では、1億総活躍社会の実現とセーフティーネット強化を狙った複数企業就労者の労働条件整備と高齢者の就業機会確保に向けて、雇用保険法、高年齢者雇用安定法、労災保険法などの改正を果たした。解雇無効時の金銭救済制度の検討を進展させたのも安倍政権である。

 国民にとっては、雇用情勢の劇的改善がもたらした恩恵が大きい。21年に0.4倍程度だった有効求人倍率は、30年に1.6倍に到達し、雇用者増に多大な貢献をした。完全失業率も2.2%まで落とすことができた。雇用情勢改善により若者に明るい将来像を示せたことは、何より素晴らしい。原動力となったのは、アベノミクスとして実行した日銀による異次元の金融緩和であった。

 もちろん道半ばで終わった政策も多い。最も悔やまれるのは、インフレ目標とGDP(国内総生産)600兆円の未達成だろう。緊縮財政主義に偏ったために、経済拡大政策が中途半端に終わってしまった。春季賃上げ率を2%台に引き上げたものの、消費拡大には直結しなかった。

 それでも、安倍政権と同時代に生きた者として、その功績を心に留めておきたい。

令和2年9月14日第3272号2面 掲載

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