【主張】働き方改革は次の段階へ

2020.01.09 【社説】
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 令和2年新春に当たり、わが国の「働き方改革」は、未だ完結せず、その途上にあることを強く主張したい。

 安定・強力な安倍政権下において、昨年まで推進されてきた「働き方改革」は、高く評価できるものが多かった。過労死防止のための時間外上限規制の強化、年次有給休暇の使用者への時季指定義務化、高度プロフェッショナル制度の創設、非正規労働者の処遇条件の向上など、長年手が付けられなかった制度改革をスピーディーにこなした。

 しかし、「働き方改革」はまだ途上であり、終わったわけではない。実行力を備えた政権が続いているうちに、労働・雇用システムの改善を引き続き強力に推し進めていくべきであり、この機会を逃してはならない。日本の産業経済の発展と、国力増強の基盤となっていくはずだ。

 「働き方改革」は、次の段階に移りつつある。注目すべきは、解雇無効時の金銭救済制度やマルチジョブホルダーに対する労働法と社会保険の適用問題、さらには雇用類似の働き方に対する保護対策などである。

 とくに、解雇無効時の金銭救済制度創設は、これまでの改革を上回るほどの強力なインパクトがあるとともに、最も困難な改革といえる。

 日本の解雇法制は、ほとんどが判例法理に基づいて運用されているが、解雇無効時の金銭救済制度はこれに大きな一石を投じるものだ。法規定に基づき金銭救済が確実に実行されていけば、労使双方にとってメリットがある。水面下で横行している不当解雇に対する歯止めとなり、さらには健全な雇用流動化にも寄与するだろう。

 一方、雇用類似の働き方に対する保護対策が打ち出されれば、フリーランス労働市場の拡大が望める。当然、活用する側にある企業にも利益をもたらす。

 マルチジョブホルダー問題も含め、これまでの取組み以上に知恵と政治力が必要な改革ばかりである。「働き方改革」は、そうした意味で第2のピークに差し掛かってきた。できるだけ早い完結をめざし、公労使のさらなる努力を求めたい。

令和2年1月13日第3240号2面 掲載

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