【主張】菅政権で労働改革深化を

2020.10.01 【社説】
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 菅新政権が発足した。基本的に前政権の政策を引き継ぐとしているが、当然、深化・拡大が求められる。新型コロナウイルス感染症による雇用情勢の悪化を食い止めることが当面の重要課題であるが、日本型雇用慣行の変容に対応した労働法制、先進国レベルの労働生産性水準の実現に力を入れて欲しい。中央官僚の知恵をうまく引き出しながら、強いリーターシップと思い切った決断で、労働政策を前進させるべきである。

 菅政権の最大の役割は、まず雇用情勢悪化を食い止め、好転させることだ。コロナ禍の直撃を受けた業種の労働者を、できる限り失業を経ずに成長産業への再就職に結び付けるほかない。雇用調整助成金の特例を再々延長しつつ失業を避けて、その間に労働移動を実現する必要がある。今後は、他産業での再就職を後押しする強力な助成措置が不可欠となってくる。

 大切なのは、財政出動を惜しまないことだ。デフレ脱却担当大臣でもある麻生太郎財務相は会見で、「経済の成長軌道を確保するため、政府と日銀が一体となって取り組むとともに、財政投融資を積極的に活用し、GDP(国内総生産)600兆円をめざす」と明言している。必要なところに十分な財政を投入し、政策目標を達成していくことが重要となってくる。

 コロナ後を見据えた課題としては、日本型雇用慣行の変容、職務基準の人事制度拡大に労働法制をどのように対応させていくかである。新卒一括採用に偏ることなく、有能な人材を必要な産業にスムーズに移動させる仕組みと環境整備が求められる。現在検討中とされる、解雇無効時の金銭救済制度も一つの手段であり、菅総理の決断力で実現してもらいたい。

 経済成長とともに達成しなければならないのが、労働生産性の向上だ。労働生産性はOECD加盟36カ国中21位、1人当たりGDPもニュージーランドやイスラエルよりも下位の26位と厳しく、挽回の気配もない。経済大国を誇った日本がなぜ坂道を転げ落ちてしまったのか。現実を直視し、実効性ある生産性向上策を打つべきである。

令和2年10月5日第3275号1面 掲載

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